伝統構法二〇〇年住宅

伝統構法で造る200年住宅 次世代省エネ基準適合

伝統構法二〇〇年住宅

第五回「真の日本のすまい」提案競技
優秀賞(林野庁長官賞)受賞


高い耐久性を持つ伝統構法を科学的に検証し、今の時代に必要な構造強度を持たせ、200年住宅として提案しました。住まいの環境も次世代省エネルギー基準に適合する設計としました。伝統構法を実践している大工なら造れる一般的な造りとしています。
古民家の移築再生にも応用できます。


構造:木造伝統構法
構造材:杉・桧・松など国産材を基本とします。柱4寸 大黒柱 8寸
屋根:日本瓦葺き
外壁:土壁 漆喰、下見板張 仕上
内壁:土壁 漆喰、板張
床:杉無垢板
外部建具:アルミサッシ(OP木製サッシ)
内部建具:木製建具
断熱材:セルロースファイバー充填(壁・屋根・床下)
設備:浴室ハーフユニットバス、キッチン造作家具
設計から引渡しまで約2年


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第五回「真の日本のすまい」提出案

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林野庁長官賞 受賞作品の講評「伝統構法 二〇〇年住宅」

伝統構法はいかに地場の材料を使い、伝承された技術によって造られるかであり、そうして造られた住まいが「真の日本の住まい」と言うにふさわしいであろう。

この案は伝統的木組みと土塗り壁による伝統構法であり、架構は田の字型とし、折置・差鴨居等の木組み、竹小舞による土塗り壁としている。

真壁・梁あらわしを基本にする等、大工・左官の伝承技法が伝統的空間に見て取れる。

開放的なLDKを中心に象徴としての大黒柱を据え、心の拠り所として位置づけている。このような空間が、家族の思いやりや遠慮の心を育むのであろう。

伝統構法はねばり強く、田の字の簡明な架構は間取り変更に対応しやすい。

瓦屋根は日射を防ぎ、越し屋根や天窓が心地よい通風を促している。

高齢化を配慮した動線が自立性を高める間取りとなり、LDKにつながるぬれ縁は近隣交流の場となっている。(横島 誠司 委員)